ロマン写真館

東京・根津の弥生美術館に併設されている「カフェ港や」では月に1回、スタイリスト岩田ちえ子さん主催の『ロマン写真館』が行われています。

〈撮影風景〉

岩田さんは、写真家・荒木経惟氏の作品登場モデルの「着物姿」を創り30年。その数はのべ700〜800人におよぶ。
荒木作品で使われる着物は、すべて自分の目と足で探し求め “ エキサイティングな色と柄 ”の着物や帯が増えていくと同時に「そんな着物を着てみたい」という声も増え、弥生美術館協元、ロマン写真館がオープン。

“ 私たちは、いわゆる着物カタログ的な写真を撮りたいのではありません。
私たちが考える「着物姿」とは、座ればシワになり、動けば襟元もゆるみ、風が吹けば裾も袖もゆれる。 というように、日常着として実際に使われていた「本来の着物姿」のことです。
そして、それこそが自然で美しいのではないかと考えています。” (ロマン写真館HPより)

この言葉通り、ロマン写真館で撮影される写真は竹久夢二や華宵の絵そのもの。

〈ロマン写真館一周年記念としてカフェ港やで開催されているミニ写真展〉

叙情的で艶っぽい世界に惹かれるのは日本人だけではない。最近は外国のお客様も多いとの事。
この日、ロマン写真館に訪れたのはポーランド出身のサーシャさん。

〈ご本人の希望により日本髪に〉

初めて着物を着たとの事ですが、「全然苦しくない」とにっこり。それは岩田さんの補正をせずゆるやかだけど締める所は締める着付けの成せる技。

撮影は約30分。その後、着物姿のまま弥生美術館を鑑賞出来る。ロマン写真館は美術館の定休日に行っているので貸切で見られる特典も。

また岡山夢二郷土美術館では2014年の夢二生誕130周年を記念してロマン写真館を開催。
来年4月〜5月の予定(詳細は10月にロマン写真館HPでお知らせ・人数限定の先着順です)

〈ロマン写真館スタッフさん一同〉
上段左からヘアメイク・松宮美和さん、撮影・首藤幹夫さん、企画・岩田ちえ子さん
下段左から着付け補佐・湧井菜穂子さん、撮影助手・吉澤理香さん、制作補佐・久村美幸さん

 
プロフィール

企画・岩田ちえ子
1956年東京生まれ。80年から雑誌、広告、TV等の仕事を手掛けつつ、写真家・荒木経惟との仕事は30年になる。
すべてひとりで任せられた幸運から「着物姿」そのものが自由でリアルな芸術表現方法になるはずだ!という確信を得る。
その色、柄合わせは独特で、ある意味、極めて挿絵的とも言える。

撮影・首藤幹夫
1967年大分県生まれ。写真家。雑誌や新聞を中心に、映画、演劇、音楽など多方面で活動。
93年から複数台のスライド映写機を自身で操作し上映する「幻燈写真」作品を発表。
08年には劇場公開写真映画『ヤーチャイカ』の撮影監督を務めるなど、写真表現での新しい可能性を追求している。
最新刊として、朝日新聞にて連載された『いつもそばに本が』(ワイズ出版)がある。

ヘアメイク・松宮美和
東京生まれ。美容師の後、ヘア&メイク及び着付師として、TV、広告、ショー、映画、スチール、講師等々で活動。
資生堂SABFA卒業、山野美容専門学校卒業
国家資格美容師免許取得、管理美容師免許取得
JNA日本ネイリスト協会認定ネイルサロン衛生管理士
東京ビューティーアート専門学校ヘアメイク講師
KTC中央高等学院ヘアメイク講師 ラ・レベル東京校ヘアメイク・着付講師

・ロマン写真館HP http://www.roman3.net/
・岩田ちえ子さんの着物コーディネートが映える荒木経惟氏の写真集の紹介はこちら